このツールでできること
イーサネットやWi-Fiのインターフェースには、それぞれ48ビットのハードウェアアドレスがあり、ふつうは00:1A:2B:3C:4D:5Eのように16進数2桁を6組並べて書きます。前半はIEEE登録機関(IEEE Registration Authority)が1つの組織に割り当てたブロックで、残りはその組織が、製造するインターフェースごとに決めます。このツールは、プレフィックスがどのブロックに含まれるかを調べ、登録した組織を表示します。
データは2026年6月時点のIEEE公開割り当てリストのコピーで、3種類のブロックサイズをすべて含みます。MA-L(24ビットのプレフィックス。長くOUIと呼ばれてきたブロック)、MA-M(28ビット)、MA-S(36ビット)です。テーブルはiseeu.ccに同梱され、先頭バイトごとに分けてあるので、ブラウザは入力したアドレスに対応する断片だけをダウンロードして手元で照合します。アドレスそのものはどこにも送信されません。
アドレスごとに、登録されている組織名、一致したブロックのサイズ、登録住所の2文字の国コード、そしてコロン区切り、ハイフン区切り、Ciscoのドット区切りの3つの表記を表示します。ローカル管理アドレス、マルチキャスト(グループ)アドレス、ブロードキャストアドレスFF:FF:FF:FF:FF:FFには、その旨の印を付けます。
使い方
- アドレスを入力欄に貼り付けます。コロン区切り(
00:1A:2B:3C:4D:5E)、ハイフン区切り(00-1A-2B-3C-4D-5E)、Ciscoのドット区切り(001a.2b3c.4d5e)、区切りなしの16進数(001A2B3C4D5E)のどれでも使え、先頭の16進数6桁だけでも検索できます。 - 複数の機器をまとめて調べるときは、1行に1つずつアドレスを入れます。
- 行ごとの結果を読みます。登録されている組織名、ブロックのサイズ(MA-L、MA-M、MA-S)、国コードが表示されます。
- フラグも確認してください。ランダム化されたアドレスやマルチキャストアドレスにメーカー名が出ない理由がわかります。
- 正規化されたアドレスは、ルーターやスイッチ、機器の管理表で使う表記に合わせて、そのまま使い回せます。
16進数6桁で24ビットのブロックは特定できますが、MA-Mブロックは7桁、MA-Sブロックは9桁ないと隣のブロックと区別できないので、完全なアドレスが手元にあればそちらを貼り付けてください。2026年6月のスナップショットより後に割り当てられたブロックは見つかりません。アドレスは次のコマンドで集められます。
Windows getmac /v または ipconfig /all
macOS ifconfig en0 | grep ether
Linux ip link show
近隣機器 arp -a (Windows, macOS) ip neigh (Linux)
macOSのarp -aは先頭のゼロを省いて0:1a:2b:3c:4d:5eのように出力します。貼り付ける前に、1桁になっている組にゼロを補ってください。
こんなときに
- ルーターの接続機器一覧に、名前のない機器がある。ルーターは、スマートプラグやカメラ、テレビにつなぐ小型の端末を、ホスト名のないMACアドレスだけで表示することがよくあります。登録されているベンダー名で候補を絞り込み、怪しい機器の電源を抜いてみれば確かめられます。
- スイッチのMACアドレステーブルを読む。
show mac address-tableで得たアドレスを、Ciscoのドット区切りのまま1行に1つずつ貼り付ければ、どのポートの先に電話機、プリンター、アクセスポイントがつながっているかがわかります。 - MACフィルターやDHCPの予約を設定する前に。ローカル管理のフラグが付いていれば、その機器はプライベートアドレスを使っています。そのアドレスに結び付けたルールは、機器が新しいアドレスに切り替えた時点で、ルールの対象から外れてしまうことがあります。
- パケットキャプチャを読み解く。
01:00:5E:00:00:FB(IPv4のマルチキャストDNS)や33:33:00:00:00:01(IPv6の全ノード)のような宛先は、機器ではなくグループで、マルチキャストのフラグが付きます。 - 仮想マシン。ハイパーバイザーは仮想ネットワークカードのアドレスを生成します。QEMUの標準のプレフィックス
52:54:00はローカルビットが立っているので、企業名とは照合されず、フラグが表示されます。
MACアドレスの構造
MACアドレスは6オクテットです。MA-Lブロックでは、先頭の3オクテットが割り当てを受けた組織を示し、残りの3オクテット(1,670万通り強)はその組織が自由に割り振れます。MA-MとMA-Sのブロックは、IEEEがそのために確保している大きなブロックを切り分けたものです。MA-Mは28ビットを固定して20ビット(1,048,576個のアドレス)を残し、MA-Sは36ビットを固定して12ビット(4,096個)を残します。
MA-L 00:1A:2B | 3C:4D:5E プレフィックス24ビット、機器ごとの部分24ビット
MA-M 00:1A:2B:3 | C:4D:5E プレフィックス28ビット、機器ごとの部分20ビット
MA-S 00:1A:2B:3C:4 | D:5E プレフィックス36ビット、機器ごとの部分12ビット
先頭オクテットのうち2つのビットには特別な意味があります。最下位ビットは個別/グループ(I/G)ビットで、0なら単一のインターフェースを、1ならマルチキャストグループを宛先にします。その1つ上はユニバーサル/ローカル(U/L)ビットで、0はアドレスがIEEEのブロックから来ていること、1はソフトウェアがローカルに設定したアドレスで、どの登録ブロックにも属さないことを表します。どちらも16進数の2桁目から読み取れます。
16進2桁目 意味
0 4 8 C ユニバーサル、ユニキャスト(通常のハードウェアアドレス)
2 6 A E ローカル管理、ユニキャスト(ランダム化されたWi-Fiのアドレスであることが多い)
1 5 9 D ユニバーサル、マルチキャスト
3 7 B F ローカル管理、マルチキャスト
ブロードキャストは全ビットが1のアドレスで、セグメント上のすべての端末が受け取ります。ARPの要求やDHCPのディスカバーメッセージが使うのがこのアドレスです。全ビットが1なので、形式上はグループビットとローカルビットも立っていることになり、そのため専用のフラグを付けています。
プライベートアドレスと、WebサイトにMACアドレスが届かない理由
最近のiOSとAndroidは、標準でハードウェアアドレスの代わりにランダムなアドレスを使い、たいていはWi-Fiネットワークごとに別のアドレスにします。時間の経過とともにアドレスを変える機器もあり、Windowsにも同様のオプションがあります。ランダムなアドレスはローカルビットが立っているので、どのメーカーとも一致しません。1台のスマホをネットワークをまたいで見分けにくくする仕組みですが、そのぶん、ルーターのMACフィルター、ペアレンタルコントロールのルール、DHCPの予約は、機器がアドレスを切り替えると効かなくなることがあります。信頼できるネットワークで固定のアドレスを使いたいときは、そのネットワークに限ってプライベートアドレスの設定をオフにしてください。Appleではこの設定を「プライベートWi-Fiアドレス」と呼んでいます。
MACアドレスに意味があるのは、ローカルリンク、つまり機器がつながっているWi-Fiネットワークやイーサネットのセグメントの中だけです。スイッチはMACアドレスでフレームを転送し、ルーターはIPアドレスでパケットを転送します。通信がルーターを越えると、ルーターのMACアドレスを送信元とする新しいフレームで送り出されるため、次のネットワークから見えるのはあなたではなくルーターです。Webサイトが受け取るのはグローバルIPアドレスとブラウザのヘッダーで、ハードウェアアドレスを明かすWeb APIはありません。過去に知られた漏えいの例は、修正EUI-64方式によるIPv6の自動設定です。この方式では、U/Lビットを反転させたMACアドレスがアドレスに組み込まれていました。
MAC 00:1A:2B:3C:4D:5E
インターフェースID 021a:2bff:fe3c:4d5e (FF:FEを挿入、0x02のビットを反転)
現在のOSでは、多くの場合、一時的なランダムのインターフェースIDや、安定したランダムのインターフェースID(RFC 8981、RFC 7217)が代わりに使われます。そのため、Webサイトから見えるIPv6アドレスから、ふつうはハードウェアについて何もわかりません。
よくいただく質問
スマホのMACアドレスを調べてもメーカー名が出ないのはなぜですか?
そのWi-Fiネットワーク用に、スマホがランダムに作ったプライベートアドレスを使っている可能性が高いです。こうしたアドレスはローカル管理のビットが立っていて、IEEEのブロックから取ったものではなくソフトウェアが生成したものです。そのため登録されている組織がなく、このツールはメーカー名の代わりにその旨を表示します。本来のハードウェアアドレスを見るには、端末の情報画面やステータス画面を確認するか、そのネットワークに限ってプライベートアドレスの設定をオフにしてください。
聞いたこともない会社の名前が表示されました。なぜですか?
登録簿に載っているのはアドレスブロックの割り当てを受けた組織で、多くの場合、箱に書かれたブランドではなく、Wi-Fiやイーサネットのチップのメーカー、モジュールの供給元、受託製造の会社です。ブランドの違うスマートプラグ、プリンター、カメラが、そろって同じ供給元の名前を示すこともあります。名前は手がかりの一つと考え、ホスト名、その機器がネットワークに接続した時刻、実際に近くにある機器と合わせて判断してください。
WebサイトにMACアドレスを知られることはありますか?
ありません。MACアドレスが使われるのは、ローカルネットワークのセグメントの中だけです。経路上のルーターはそれぞれ自分のMACアドレスでフレームを送り出すため、リクエストがWebサーバーに届く時点で残っているのは、あなたのグローバルIPアドレスとブラウザのヘッダーだけです。ブラウザにも、ハードウェアアドレスを読み取るためのAPIはありません。主な例外は、MACアドレスをIPv6アドレスに埋め込んでいた古い設定でしたが、現在のシステムではその方式は避けられています。
OUIとMA-Lは何が違うのですか?
MA-L(MAC Address Block Largeの略)は、昔からOUIと呼ばれてきた割り当てを指す、現在のIEEEでの名称です。24ビットのプレフィックスで、その後ろに1,670万個強のアドレスがあります。24ビットの識別子そのものは、今もOUIと呼ばれます。MA-MとMA-Sは、それぞれ28ビットと36ビットのプレフィックスを持つ小さな割り当てで、必要なアドレスが少ない組織向けです。
表示される国コードから何がわかりますか?
国コードは、ブロックを登録したときに組織がIEEEに届け出た住所から取られています。わかるのは、その会社(または登録の手続きをした事業所)が当時どこにあったかだけです。機器がどこで作られたか、どこで売られたか、いまどこにあるかはわかりません。会社が移転したり買収されたりしても、ブロックは登録されたまま残るので、過去の記録として読んでください。
貼り付けたアドレスが、iseeu.ccのサーバーに渡ることはありますか?
渡りません。照合用のテーブルはサイトに同梱されていて、アドレスの先頭バイトごとに分けてあります。ブラウザはiseeu.ccから必要な小さな断片だけを取得し、照合は手元で行うため、アドレスそのものはどこにも送られません。iseeu.ccはIPアドレスや検索内容のログを残さず、訪問者のデータベースも持たず、Cookieを使わず、広告も表示しません。
MACアドレスから機器の持ち主や場所を突き止められますか?
この登録簿からはできません。記録されているのは、どの組織がアドレスブロックの割り当てを受けたかであって、個々の機器を誰が買ったか、どこにあるかではありません。自分のネットワークなら、ルーターの接続機器一覧やDHCPのリース表で、各MACアドレスとIPアドレス(多くの場合はホスト名も)の対応がわかるので、それが機器を探し当てる現実的な方法です。ローカルネットワークのセグメントの外には、MACアドレスはそもそも運ばれません。
登録簿に記録されているのは、アドレスブロックの割り当てを受けた組織です。個々の機器を作った会社、売った会社、持ち主ではありません。ランダム化されたアドレスや、非公開として登録されたブロックからは、メーカーをたどれません。